1.能力開発について

1.能力開発 保険販売に必要な教育とは②


生命保険という商品はもっとも売る事が難しい商品の一つだとよく言われます。
世の中の様々な商品と比較すると、目で見たり、手にとってみたり、肌で感じ取る事ができない商品ですから、お客様に十分に納得して頂いて購入までに至るためには、様々なプロセスを丁寧に踏む必要があるだろうということは、容易に想像できることだと思います。
さらに、生命保険を販売する立場としては悩ましい事ですが、生命保険市場の大きな変化も生命保険販売の難易度を上げている様です。
今回は、生命保険市場の変化によるお客様の変化をわかりやすく解説した上で、生命保険販売の基本となるセールスプロセスについてお話したいと思います。
私は、「男性がスーツを着て保険商品を販売するなど聞いた事がない。」と言われていた時代から長く生命保険業界に関わっていますが、特にこの10年間は劇的に変化していると実感しています。

まずは商品の開発サイクルが大きく変わりました。
多くの生命保険会社が非常に早いサイクルで新商品をリリースする様になりました。
今では、人気のある保険商品が出れば半年後には他社から類似商品が販売される事が普通になっていますから、極端な話、商品自体の販売寿命がそれこそ半年で終わってしまいそうなほどの勢いです。
さながら携帯電話の最新機種の様に、次から次へと新商品がリリースされてきていますから、結果的にはお客さまが選択できる商品の幅が広がることになり、良い意味で個々の商品に大きな差が出づらくなっている様です。

もう一つ大きく変わった点が、生命保険の販売経路(チャネル)です。
生命保険自体の購入方法もずいぶん選択肢が増えてきました。生保レディーと呼ばれる営業職員の方々だけではなく、紹介とライフプランの提案を主としたFP 型社員によるリテール販売や、証券会社・銀行(現時点では主に個人対象)での窓口販売、さらに最近ではインターネットでの保険商品の比較サイトや代理店の 評判口コミサイトを経由した来店型店舗(お客様が保険を購入する為に足を運ぶ店舗。保険のプロフェッショナルから各社の商品をアドバイスしてもらい、比較 検討した上で商品を購入する事ができる。)による販売など、様々な販売経路ができています。

特に金融窓販専門の保険会社が設立すぐから順調に実績をだしていますし、中小生命保険会社(メーカー)と肩を並べるほどの高い実績を出す来店型の独立系代理店が現れるなど、劇的な変化が今なお続いている様です。
生保販売高が微減している中で、新たなチャネルが確実に販売実績を出しているという事は、マーケットを創造し、それが成長期にシフトしてきている表れだという事でしょう。

次に、お客さまはどの様に変化しているのでしょうか。購入経路を選択でき、商品の比較情報の入手が比較的容易になった結果、「自分達のニーズにピッタリ合った保険商品を選びたい。」といったお客さまの声が非 常に強くなってきていると思います。「40代であればこの商品、50代であればこの商品」といった、セールスマンの勘に頼った方法では販売結果を出しづら くなってきていると感じている方も多いのではないでしょうか。

 

このように生命保険商品を取り巻く環境は大きく変わっているのですが、それでも確実に販売実績を出している方々は数多くいます。
確かに、飛びぬけた実績を出せる方々には、何か特別に魅力的な面を持っている事が多いのですが、それだけでは保険商品は販売できません。
また、ついつい勘違いしがちなのですが、保険商品に関する商品情報をたくさん持っていれば実績を出しやすいかというと、残念ながらそういう訳でもありません。
これは過去の数多くの販売データをもとに分析した結果から何度も確認されている事ですが、分析のデータからはセールスマンが持つ商品情報の量や深さと販売実績には深い相関関係が出てこない事が分かっています。
お客さまは、確かに商品知識を正しく説明して欲しいと思っているのですが、もっと総合的に判断して購入の是非を決定しているのです。

では、お客さまに感謝されつつ効率的に保険商品を販売する方法があるのでしょうか?
実は手法はあります。生命保険の販売には明確なセールスプロセスが存在するのです。
実績を出している方々は、意識的にせよ、無意識的にせよ保険販売におけるセールスプロセスを丁寧に踏んでいるのです。

販売の為のスクリプト(トークの手順やシナリオ)の習得も非常に重要な要素ではあるのですが、保険販売を行うための根本的なセールスプロセスを知らなければ、お客さまに高い満足感を与えつつ効率的に保険商品を販売する事はできません。

このセールスプロセスとは、ニードセールスと呼ばれる、「誠意を持ってお客さまの欲求・要望(ニード)に対して的確な商品を提案すれば、お客さまは商品を購入してくれる。」という考え方をプロセス化したものです。

この考え方は、生命保険販売に限らずどの様な商品にも共通するのですが、特に生命保険という商品の販売においてはこのプロセスを守らない限り、高い満足度を与えつつ効率的に販売する事はできない事がはっきり分かっています。

生命保険業界内では当たり前のプロセスですから、様々な形で社内教育の中に組み込まれていますし、わざわざ強調する必要もないほど当然の流れとして認識されています。
しかしながら、銀行窓販など保険の販売をしはじめたばかりの方々にとっては、はじめて知る方が多い様です。

生命保険業界の方にとってはおさらいとなりますが、非常に重要なプロセスですから、改めて自分自身の行動を見つめなおす良い機会として読んで頂きたいと思います。

この図は、有名な「ニードセールスのピラミッド」と呼ばれるものです。セールスのプロセスを大きく4つ(アプローチ、ファクトファインディング、プレゼンテーション、クロージング)に分けた場合の各々のプロセスに対する時間や手間の掛け方を表しています。

背景にある正三角形(アプローチが少なく、クロージングが多い)は、経験の浅いセールスマンがついついとってしまいがちな時間の掛け方です。

お客さまのニードを確認するよりも、商品の説明や、購入の決断を迫る事に時間と労力を費やしているやり方です。

色のついた逆三角形(アプローチが大きく、クロージングが小さい)が、実績を出している方々の時間の掛け方です。
大きな違いは、『お客さまのとの信頼関係をまずは構築し、しっかりとニーズを聞き出す。』為に時間と労力を費やすという事です。

結果として、提案する内容=お客さまが欲しい内容となれば、提案した時点でお客さまの決断は決まってしまっていますから、ニードセールスにはクロージングというプロセスは存在しなくなり、お客さまの満足度も非常に高くなりますから、紹介は口コミが自然に発生してきます。

次回は、各プロセスについて一つ一つ細かく解説して行きます。

 

保険情報記事:
2008年7月6日掲載「銀行・証券会社のためのニードセールス 

 

 

教育プログラムのお問い合わせ